鏡開き

 鏡開き、ここ数年開く日をネットで検索することが多い。かつては迷うこともなく開いていた。好物のぜんざいと結びつけていたこともある。最近は何でもすぐネットで検索、すぐ応えてくれるので便利ではある。つい頼ってしまう。しかし、覚える、記憶に留めておくことを怠っているのも確か。それでも、思いがけず広がっていくこともある。
 検索すると関連する項目が繋がってくる。今回は「鏡開きの由来」に目を通してみた。すると、刃物で切ってはいけない、木槌や手で割ること、とある。元々は武家社会の行事で、切腹を連想すると忌み嫌ったことが由来らしい。
 そうそう、子どものころ開いたお餅は不揃いのカケラのよう になっていた。カビが生えていて、それを取るのも大変だった。いくら削っても匂いは完全には消えない。ぜんざいは好きだけれど、カビの匂いで喜びも薄らいでいく。
 今日開いた鏡餅はプラスチックで成形され、底を開けると袋に小分けされた切餅が入っている。開く、割るとはほど遠い。振り返ってみると、2段重ねの餅が一塊プラスチックで覆われているものもある。さすがにこれを小さくするのはやっかいだったのを思い出す。時代とともに変化し、およそ本来のものとも思えないが、毎年大きさなど自分なりに選んで飾っている。テレビ のニュースでも各地方の鏡開きを紹介している。形式も食べ方も様々だが、簡易的であれ正月の行事として受け継がれている。正月気分も抜けるころで、気持ちの切り替えにもなる。
 ちなみに関西では15日が鏡開き、それだけカビも生えるが覚えやすい日で忘れることはなかったが。