猛暑と向き合う

連日の猛暑に身体がついていかない。気温が37度を超えるとさすがにきつく、出かけるのもためらってしまう。3日前、玄関先でアブラゼミの抜け殻を見つけた。まじまじと見つめていると、子どものころ集めていたことを思い出す。細部まで形が残っていることが不思議で、彫刻のように奇麗だと思ったからだ。

 ふ化してからおおよそ2~3日で鳴き始めるのだというが、まだセミの鳴き声は聞こえてこない。何でも気温が高過ぎると鳴かないのだという。メスに居場所を伝えるための鳴き声は、一生に一度の大切な行為、適した環境を見定める為に周りの様子を探っているのかもしれない。セミに限らず、動物たちもこの暑さに必死で対応しようとしているのだろう。人間にとっても、この猛暑は辛く、体温を超える温度に、「身体が煮えてしまいそうだ」の表現に納得する。それでもエアコンのある室内にいれば、何とかなる。

 ヨーロッパでも各地で連日40度超えが報じられる。日本はエアコンの普及率が世界で最も高いそうだが、フランス・パリの普及率は3割に満たないという。石造りの建物の影響もあって、設置することが難しいのだろうと思っていたが、ニュースが伝えるパリ市民のインタビューを聞いていると、それだけではないようだ。エアコンの設置を望む一方で、生活観と文化や環境に対する認識の違いから、暑さが厳しくても現実に適応しようと努力する姿勢も伝わってくる。決して少数派でないことに驚かされる。パリ市民のことばから、自然や生活環境に対する向き合い方を考えさせられた。

 確かに子どものころはエアコンなど無かった。現在と比較にならないが、夏の厳しい暑さの中で涼をとる工夫はしていた。庭先に朝顔を植えたり、窓辺に簾を掛ける、夕方になると水をまく、などなど、普通に見られる光景だった。では、今エアコンの無い生活に戻れるかとなると無理だろう。連日続く猛暑を考えれば現実的でもない。それでも暑さを凌ぐ為の工夫は、もっと考えてみる必要はありそうだ。