あたりまえのこと

長雨が続き、なかなか陽がさすこともなかった。暑さも緩み久しぶりに近所の神社まで歩いてみると、清々しい気持ちになる。参道にはもう銀杏が落ちはじめている。境内で空を仰ぎ、思いきり深呼吸してみると、草木の匂いが漂い、もう秋なのかと思うが、どうも実感が湧かない。

 ついこの間まで猛暑が続き、散歩をするのもためらっていた。多少気温が下がる日があっても、そのまま続いていくという実感が持てなかった。朝肌寒いと長袖のシャツを着るが、昼になると半袖に着替える。日本の四季が危うい、季節感が乏しくなったといわれるようになって久しい。地球温暖化のせいもあるのだろう、台風も以前はあまりなかった進路を辿っている。各地で豪雨による被害が続いている。毎年のように「これまで経験したことのない」という言葉が耳に入る。先々のことを考えると心配になる。いざというときのために、避難場所や避難経路の確認をといわれるが、人それぞれ境遇も違い、条件は同じではない。あたりまえのようにいわれること、あたりまえのことが、自分にとってもあたりまえのことなのか、考えさせられる。メディアによって伝えられる情報に振り回されているところもある。自分にとってのあたりまえを整理してみる必要がありそうだ。

 季節の感じ方や四季の捉え方も、北海道と九州では異なるだろう。年齢や四季折々の記憶によっても違ってくるはずだ。自分にとっての四季があってもいい。いま感じ取っていること、自分で秋なのだと感じることを大切にしたい。